サービス
リスティング広告の費用相場は?予算の決め方や費用を抑える方法を紹介

リスティング広告は、広告がクリックされるごとに費用が発生する広告です。
少額から広告の出稿できますが、自社の広告運用の目標を達成するのに必要な金額がわからないという方もいるでしょう。
事前に目標達成に必要な予算を明確にしておかないと、予算が不足して広告を配信できないおそれがあります。
本記事ではリスティング広告の費用相場や予算の決め方、失敗しないためのポイントを解説します。費用対効果を高める方法も紹介するので、費用を抑えながら問い合わせ数や購入数を増やしたい方はぜひ参考にしてください。
無料ホワイトペーパー「リスティング広告の教科書」はこちら>>
リスティング広告の費用相場は約30万円〜100万円
リスティング広告の費用相場は、月額で約30万円〜100万円程度です。
ただし、企業規模によっては以下のように費用が異なります。
企業規模 | リスティング広告の費用相場 |
---|---|
中小企業 | 30万円〜100万円 |
大企業 | 100万円~ |
中小企業の場合は、ある程度の成果を目標にしているものの、大企業ほど予算やリソースを充てられないため、広告運用代行を利用しているケースも含めて、30万円〜100万円程度が相場です。
大企業の場合は、十分に予算をかけて入札単価の高いキーワードに参入するため、毎月100万円以上の費用がかかることもあるでしょう。
ただし、費用相場はビジネスモデルやサービスのフェーズによっても変わる点に注意が必要です。企業の予算や目標によっても異なるので、あくまで目安として参考にしてください。
代行会社に依頼した場合の費用と内訳
リスティング広告の代行会社に依頼した場合は、会社によって費用が変動します。
とくに代行会社は以下3つの料金形態になっており、それぞれ発生する費用が異なるので理解しておきましょう。
リスティング広告代行会社の 料金形態の種類 | 費用形態 |
---|---|
手数料率型 | ・広告費に代行費を上乗せする形態 ・相場は広告費の20%程度(広告費が100万円の場合、代行費は20万円が追加され計120万円の費用が発生) |
定額型 | ・毎月一定額の費用を支払う形態 ・予算や目標に応じて費用が変動 |
成果報酬型 | ・目標CV数に応じて費用を支払う形態 ・広告費を運用代理店側が負担し、事前に設定した成果を達成した際に請求されるのが特徴 |
運用代理店によって広告サービスの料金形態が異なるため、契約締結前に確認しておきましょう。
- リスティング広告運用の費用は月間約30万円程度が相場です。
- 企業規模や広告配信の目的にもよりますので、参考として理解しておきましょう。
リスティング広告で費用が発生する仕組み
リスティング広告は、広告がクリックされるごとに費用が発生するクリック課金制となっています。
出稿された広告が1クリックされるごとに費用が発生し、あらかじめ設定した予算が上限に達すると広告の配信が停止されます。

参考:Yahoo!広告の料金・費用|LINEヤフー for business
1クリックあたりの平均費用は「クリック単価」を確認することで把握できます。
クリック単価は固定ではなく、広告の掲載順位を決めるための数値である広告ランクを基準に算出されるのが特徴です。

参考:Yahoo!広告の料金・費用|LINEヤフー for business
広告ランクは広告の品質や上限クリック単価(広告が1回クリックされる際に支払える上限額)などで決定します。
- リスティング広告の運用費用は月間約30万円程度が相場です。
- 企業規模や広告配信の目的にもよりますので、参考として理解しておきましょう。
- クリック単価は任意で設定した上限単価と品質スコアにてスコアリングされ、他の競合とのオークションによって決まります。
リスティング広告の予算を決める4つの手順
リスティング広告の予算は、以下の4つの手順で算出します。
- 目標数値を決める
- 推定コンバージョン率を決める
- クリック単価を調査する
- CV数と流入数を加味して予算を計算する
自社にとって必要な予算を把握するためにも、ぜひ参考にしてください。
目標数値を決める
まずは以下の項目を目標として設定しましょう。
設定する目標値 | 概要 |
---|---|
CV(コンバージョン) | 問い合わせや購入などユーザーが実際に起こすアクションで成果とみなされる件数 |
CPA(顧客獲得単価) | CV1件あたりにかかった広告の費用 |
ROAS(広告費用対効果) | 広告費に対してどれだけ売上を得られたかを指す指標 |
とくに、CPAは1件のコンバージョンに対する費用を確認できるため、運用方針や予算を再検討する際に重要な指標です。
計算式は下記です。

商材が少ないECサイトの場合は、商材の想定利益が計算しやすいため、CPAを設定しましょう。
たとえば商品単価が10,000円で原価が6,000円、経費が1000円、利益が1000円だと仮定した場合、CPAは以下のように求められます。
<例>
10,000円 – 6,000円 – 1,000円 – 1,000円=2,000円
よって、目標CPAは2,000円です。
一方で、ECサイトなどプロモーションに掛ける商材が多い場合は、ROASを設定するのがおすすめです。商材によって単価や原価などが異なりCPAで計算するのが困難なため、ROASで広告全体の売上をもとに費用対効果を設定しましょう。
推定コンバージョン率を決める
目標数値を決めたら、コンバージョン率(CVR)がどのくらいになるか推定値を設定します。CVRの目安や平均値は、以下のように業界・商材によって大きく異なります。
業種 | 平均CVR |
---|---|
擁護団体 | 1.96% |
自動車 | 6.03% |
BtoB | 3.04% |
消費者サービス | 6.64% |
デート&出会い | 9.64% |
電子商取引 | 2.81% |
教育 | 3.39% |
人材 | 5.13% |
金融・保険 | 5.10% |
健康・医療 | 3.36% |
家庭用品 | 2.70% |
産業サービス | 3.37% |
法律 | 6.98% |
不動産 | 2.47% |
テクノロジー | 2.92% |
旅行、ホスピタリティ | 3.55% |
目安は0.5%〜2%ですが、業種により異なるのがわかります。
上記のようなサイトから、自社の業種や扱っている商材の推定CVRを調査しましょう。
今回はCVR1%で計算します。
クリック単価の調査
推定コンバージョン率が決まれば出稿したいキーワードのクリック単価をGoogleのキーワードプランナーで調査しましょう。
キーワードプランナーでのクリック単価の調査手順は以下のとおりです。
<Google キーワードプランナーによるクリック単価調査手順>
- Google 広告アカウントにログインして、「ツール」から「キーワードプランナー」にアクセスします。
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択しましょう。
- 遷移後の入力画面で調べたいキーワードを入力し、「開始する」をクリックしてください。
- 「予測」をクリックすると、画面に「平均クリック単価」が表示されます。
Google キーワードプランナーを使用する場合、Google 広告のアカウントが必要です。また、Yahoo!広告にはキーワードごとのクリック単価を把握できるツールがないので、Googleのキーワードプランナーを利用しましょう。
クリック単価については以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。

CV数と流入数を加味して予算を計算
上記の手順で算出した数値をもとに、予算を計算します。
予算は、以下の計算式で求められます。
- 目標CV数÷CV率=必要流入数
- 流入数×クリック単価=予算
たとえば、以下の条件をもとに予算を計算するとしましょう。
- 目標CV数:50
- 業種:金融(推定CVR1%)
- キーワードプランナーで調査したクリック単価:100円

計算より、コンバージョンを50件獲得するには、5,000クリックが必要なことがわかります。
次に2の計算式で予算を算出します。

計算により予算が50万円必要であることがわかりました。
また、CPAは次の式で求められます。50万円(費用)÷ 50(目標CV数)= 10,000円
リスティング広告の設定画面で目標CPAや目標ROASを設定し、上記の計算方法で設定したCPAに乖離がないか確認しましょう。
- リスティング広告の運用費を決める4つの手順を紹介しました。
- 予算策定では、クリック単価や業界・商材ごとの推定CVRを把握しておく必要があります。
- Googleのキーワードプランナーや外部の調査データを活用して予算策定に役立てましょう。
リスティング広告の予算・費用を決めるポイント
リスティング広告の予算・費用を決める際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 撤退ラインは必ず決める
- 増額する基準を決める
予定より広告費がかかるリスクを減らすためにも、ぜひ参考にしてください。
撤退ラインは必ず決める
目標CPAを大幅に超えてしまった場合は、一時撤退するのもひとつの手です。事前に「これ以上のCPAは許容できない(確実に赤字になる)」というラインを決めておきましょう。
たとえば、商品単価から原価や経費、利益を除いた分の目標CPAが2,000円と設定したとしましょう。広告を配信してから改善したとしても実際のCPAが2,500円となった場合、撤退の判断が必要です。

撤退ラインを定めないと、広告配信により赤字が出続ける状態となるため、事前に決めておく必要があります。
ただし、運用の経験が浅かったり未経験だったりする場合は、はじめからうまくいくとは限りません。
完全撤退ではなく一時的な撤退とし、運用して得られた知見や気づきをもとに再チャレンジすることも検討しましょう。
増額する基準を決める
リスティング広告の効果がよかった際にスムーズに配信を強化できるよう、増額の基準も決めましょう。
増額の基準を決めておかないと、成果が発生していても予算不足でコンバージョンを伸ばせないおそれがあります。
機会損失になるため、成果が出たタイミングで配信数を増加させるほうが効率的にコンバージョン数を増やせます。
「広告費の増額が可能かどうか」「いくらまで可能か」など成果に応じて段階的に予算や追加できる予算の限度額を決めるのがおすすめです。
リスティング広告を始める際、失敗しないためのポイント
リスティング広告を始める際、失敗しないためのポイントは、以下のとおりです。
- 予算を少しずつ調整する
- キーワードを掛け合わせて様子を見る
- フレーズ一致・完全一致をメインに使う
- 広告文とキーワードを関連性を高める
- 除外キーワードを設定する
- ターゲットを絞り込む
- 配信地域や配信時間を絞る
広告費がムダにならないよう、ぜひ参考にしてください。
予算を少しずつ調整する
広告配信の初動で大きく失敗しないためにも、運用開始時は少なめの予算設定にし、徐々に調整していくのがおすすめです。
成果が出たタイミングで予算を増やすことで、高いコンバージョン率を維持しながら成果を伸ばせるでしょう。
なお、Googleでリスティング広告を運用する際、1日の費用が1日の平均予算を超える場合があることを知っておきましょう。
通常Googleのリスティング広告は、月単位で決定した予算を約30日分で割ったものが1日の平均予算として設定されます。
ただし、日によって費用が 1日の平均予算より高くなる場合と低くなる場合があることに注意しましょう。
検索ボリュームが多い日や広告効果が高い日は、Google 広告のシステムが自然と露出量を増やそうとするため、日によって予算が高くなったり低くなったりします。
超過した場合に消化される予算は、平均予算の2倍の金額が上限値です。
超過した場合でも30日間の平均予算が設定した予算を超えることはないため、安心して利用できます。
キーワードを掛け合わせて様子を見る
リスティング広告においては、2つ以上の単語を掛け合わせてキーワードを設定しましょう。
キーワードが1語だけだと、ユーザーの検索意図に合わず表示されてもクリックされなかったり、ビッグワードで競合が多く広告が表示されなかったりするケースが想定されます。
たとえば、自社商材が水道修理サービスの場合、「水道修理」というキーワード1語だけを設定すると、以下3つのパターンのユーザーが検索すると考えられます。
- 水道を自分で修理したい人
- 水道修理の費用を知りたい人
- 自分の地域で水道修理してくれる業者を探したい人
1のユーザーは自分で修理する方法を探しているため、水道修理サービス業者に依頼することは考えにくいでしょう。
広告がクリックされたとしても問い合わせや購入につながる見込みがないのであれば、広告予算を活用できていないことになります。
水道修理サービスへの関心が高そうな3のユーザーのアクセスを狙いたいのであれば、「水道修理 ◯◯市」「水道修理 業者」など2つ以上の単語を掛け合わせたキーワードを設定を設定しましょう。興味関心や購買意欲の高いユーザーが検索する単語をキーワードに設定することで、クリックしてもらえる可能性が高くなります。
掛け合わせのキーワードを見つける方法は以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

フレーズ一致・完全一致メインに使う
リスティング広告でキーワードを絞って配信したい場合は、マッチタイプをフレーズ一致か完全一致に設定しましょう。
マッチタイプとは設定キーワードに対し、どの程度の関連性のある検索キーワードに広告を表示させるかコントロールできる機能です。
マッチタイプには「インテント マッチ(部分一致)」「フレーズ一致」「完全一致」の3タイプがあります。
完全一致は、登録したキーワードと検索意図が完全に一致している検索語句にしか広告が掲載されない設定です。一方、インテント マッチがもっとも多くのキーワードを網羅できる設定になっています。フレーズ一致はインテントマッチと完全一致の中間で、登録したキーワードと同じ意味をもつ検索語句に広告の掲載が可能です。
インテント マッチは多数の検索語句で広告を掲載できますが、予期していない検索語句にも広告が表示されてしまい広告費をムダにしてしまうリスクがあります。
広告費のムダな消化を抑えるためにも、運用開始時はフレーズ一致や完全一致を選択し、見込みの高いキーワードに優先的に予算を投入しましょう。
キーワードを設定する際、デフォルトの設定がインテント マッチになっているので、配信前に必ずフレーズ一致か完全一致にしているか確認してください。
以下の記事でフレーズ一致や完全一致についてより詳しく把握できるので、ぜひ参考にしてください。


広告文とキーワードの関連性を高める
広告文とキーワードの関連性は、品質スコアの基準のひとつです。
品質ランクが高くなるほど、より低いクリック単価に設定してもオークションで評価されるので、費用対効果の向上にもつながります。
また、ユーザーの視点からも検索キーワードと関連性の高い広告文のほうがクリックされやすく、CVを獲得しやすくなります。
関連性を高めるには、広告文にキーワードを入れたり、ユーザーの検索意図に沿った訴求をしたりしましょう。
広告文とキーワードとの関連性を高める方法は下記記事でも説明しているので参考にしてください。

除外キーワードを設定する
リスティング広告の運用を開始したあとは、定期的に検索語句を確認し、必要に応じてキーワードを除外しましょう。
意図していないキーワードやCVにつながらないキーワードでクリックされていれば、広告費がムダになってしまいます。
成果の低いキーワードが見つかった場合は、除外キーワードに設定することでよりターゲットを絞った広告表示が可能です。
ただし、除外キーワードの選定を誤ると、広告の表示機会を極端に制限してしまうおそれもあるため注意しましょう。
除外キーワードの設定方法や活用方法は以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ターゲットを絞り込む
Google 広告の場合、オーディエンスターゲティングという機能を活用することで、配信ターゲットを絞り込めます。
オーディエンスターゲティングでは、以下のようなターゲットの絞り込みが可能です。
ターゲティングの種類 | 概要 |
---|---|
ユーザー属性 | 年齢や性別、年収などユーザーの情報によるターゲティング |
購買意向 | アクセサリやギフト、コンピュータなど購買意向の強い分野によるターゲティング |
アフィニティセグメント | スポーツや旅行、美容などユーザーの趣味趣向によるターゲティング |
自社商品・サービスに興味のあるターゲットにのみ絞って配信でき、購入意欲の低いユーザーのクリックを防げるため、広告費を抑えられます。
配信地域や配信時間を絞る
商材によっては配信地域や配信する時間・曜日を絞ることで、ターゲットを絞ることが可能です。
リスティング広告では、都道府県や市区町村、特定の地点から半径○○kmのような形で地域を限定できます。自社の商圏に絞った配信ができるため、地域密着型の企業やフランチャイズで運営している店舗などにおすすめです。
また、配信する時間や曜日も細かく設定でき、コンバージョンにつながらない時間帯の配信を停止することも可能です。
深夜の配信を避けたり、BtoBの場合は企業の営業時間外や土日の配信を停止したりなどができ、費用対効果の高い広告配信ができます。
配信地域の設定方法は以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

- リスティング広告は出稿が比較的簡単で、費用対効果が高い施策です。
- 運用型としては操作性が高く、細かい調整などのコントロールが求められます。
- 記載した内容を踏まえて、運用方法を再度見直しましょう。
運用開始後にリスティング広告の実際の費用が予算額と異なる場合の対処法
運用開始後にリスティング広告の実際の費用が予算額と異なる場合の対処法を紹介します。
予算が不足した場合と余る場合の2つのパターンを解説するので、運用前に以下を読んでトラブルが発生しても対応できるようにしましょう。
予算が不足している場合
想定よりも早く予算が不足するのは、登録しているキーワードが多いことや、インテント マッチでキーワードを登録しているのが主な原因です。
キーワードに優先順位をつけて、コンバージョン数が多い順に予算を集中させましょう。コンバージョン数が低いキーワードへの予算を多いキーワードに投入することで、低予算でもCVRの高い運用が可能になります。
ほかにもムダなクリックを避けるために、クリック単価が高すぎるキーワードや費用対効果が見合わないキーワードを除外することをおすすめします。
リスティング広告を継続的に配信するのが難しいほど予算が足りなくなった場合は、SEOやSNSなど低予算でもはじめやすいマーケティング方法の活用も検討しましょう。
予算が余る場合
予算が余る原因は、広告が表示されていないことや、過剰に予算を設定していたり入札戦略の目標値が厳しすぎたりしていることなどが考えられます。
インプレッション シェアが著しく低い場合は、広告が表示されていないことが原因のため、上限クリック単価の引き上げや入札戦略の目標値を緩めることを検討しましょう。
インプレッション数が極端に少ない場合は、キーワードのサスペンド状態になっている可能性があります。キーワードのサスペンドとは、検索ボリュームが少なくてリスティング広告で表示されない状態のことです。
Google 広告のレポートで「検索ボリュームが少ない」と表示された場合にサスペンドの状態となっています。
サスペンドの状態を解消するにはキーワードを見直し、検索需要のあるキーワードをキーワードプランナーで探して追加しましょう。
また、過剰に予算を設定している場合は、キーワードをインテントマッチ(部分一致)にして多くの検索語句で広告が表示されるよう対策をおすすめします。
予算によってはABテストの回数を増やし、より効果的な広告を作成するのもひとつの手です。
余った予算をあえて残し、もっとも自社商品・サービスが売れるタイミングで配信を強めるのも効果的です。
リスティング広告でより費用対効果を高めるポイント
リスティング広告でより費用対効果を高めるポイントとして、以下の7つを押さえておきましょう。
- 適切な入札戦略と目標を設定する
- 検索語句と除外キーワードのチェックを定期的に行う
- ランディングページを改善する
- 自動入札機能を活用する
- クリック率が高まる工夫・機能を最大限に活用する
- 広告ランクを向上させる
- 代行会社に相談する
費用を抑えながら成果を出すためにも、ぜひ参考にしてください。
適切な入札戦略と目標を設定する
広告の入札戦略を設定する際、自社の予算も考慮しながら目標値を決めましょう。
目標が厳しすぎると機械学習が目標を達成するのが難しいと判断し、広告を表示しなくなるおそれがあるためです。
目標コンバージョン単価や目標広告費用対効果(ROAS)、目標のコンバージョン数などを事前に算出しておき、適切に目標を設定しましょう。
たとえば、以下の入札戦略を「CV最大化(目標値あり)の目標」にして目標CPAを5,000円に設定したとしましょう。
このときのCPAの実績が10,000円だった場合、目標に対して実績が乖離しすぎているため入札を弱めざるを得なくなり表示が減るおそれがあります。
そのため、現状より予算を消化したい場合、目標値は10,000円の方向に動かすことが必要です。
ただし、5,000円から10,000円と目標をいきなり変更すると、Google 広告の機械学習が急激な変化に対応しきれず、広告効果が大きく変動するおそれがあります。
できるだけ機械学習が配信の最適化ができるように設定を変更するには、様子を見ながら段階的に引き上げましょう。
目標CPAを5,000円から7,500円、7,500円から10,000円と期間を分けて段階的に調整することで、機械学習による広告効果の影響を小さくできます。
検索語句と除外キーワードのチェックを定期的に行う
運用開始後は定期的に検索語句を確認し、マッチタイプの変更やキーワードの追加などを行いましょう。
とくに自社で想定していたユーザーの検索意図に沿った検索語句で、広告が表示されているかチェックすることが大切です。
想定していなかった検索語句で広告表示や成果につながっていれば、表示されている原因を分析しましょう。キーワードを分析することで、今後の戦略立案に役立てられます。
逆に意図しない検索語句や成果の悪いものは除外キーワードに追加しましょう。
定期的に登録したキーワードと除外キーワードを見直すことで、市場や競合の状況にあわせて適切な広告運用ができるようになります。
除外キーワードの活用方法や設定方法については、以下の記事で紹介しているのであわせてお読みください。

ランディングページを改善する
リスティング広告の運用では広告文だけではなく、ランディングページを見直すことも大切です。
ランディングページも広告の品質に影響する要素のため、ユーザーにとって利便性の高いぺージになっているか確認しましょう。
ランディングページを改善するための具体的な施策は、以下のとおりです。
ランディングページの改善方法 | 具体的な施策 |
---|---|
ファーストビュー(最初)を改善する | ・広告文と一貫性のある訴求をする ・より魅力的なデザインにする ・CTAを設置する |
ランディングページを出し分ける | 商材別や地域別、年齢別などに分けてランディングページを作成する |
ぺージの読み込み速度を改善する | ・画像のサイズを圧縮する ・不要なコードを削除する |
よくある質問を設置する | 訪問したユーザーの疑問を解消できるよう、よくある質問と回答を用意する |
CVまでの導線を見直す | ・関係ない内部リンクや外部リンクを削除する ・どの画面を見てもすぐにお問い合わせできるようにする |
ランディングページの改善によってユーザーにとっても視認性や操作性が高まり、CVRの改善につながります。
ランディングページの改善方法は以下の記事でより詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

自動入札機能を活用する
キーワードごとの入札単価を自社で設定するのが難しい場合は、自動入札機能を活用しましょう。
自動入札機能とは、機械学習を活用して入札単価を自動で最適化する機能です。クリック数やコンバージョン数の最大化などの入札戦略と予算を設定するだけで、簡単に利用できます。
自動入札機能はデバイスや地域、時間帯など多様なシグナルを分析して最適な入札を行う点が特徴です。人では収集するのが難しいデータも活用しているため、精度の高い入札が行えます。
設定後は2週間〜3週間の学習期間を設け、定期的にパフォーマンスを分析することで、手動入札よりも手間をかけずに費用対効果の高い広告運用を実現できます。
自動入札機能の設定方法は以下の記事でより詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。


クリック率が高まる工夫・機能を最大限に活用する
Google 広告やYahoo!広告にある機能を活用して、より多くのユーザーをリーチしましょう。
たとえば、以下のような機能を活用することで、よりユーザーにあった広告を作成できます。
Google 広告やYahoo!広告にある機能 | 概要 |
---|---|
キーワード挿入機能 | 特定のキーワードをユーザーの検索語句に自動で置き換えられる機能 |
地域の挿入機能 | 広告文にユーザーが訪れる自治体や居住地などの地域を自動で挿入できる機能 |
カウントダウン | キャンペーンやイベントが終わる日時を自動で変更できる機能 |
広告アセット(広告表示オプション) | 広告見出しや説明文以外に情報を追加できる機能 |
それぞれの機能によってユーザーの興味関心を高められる広告文を作成でき、クリック率を向上させられます。
クリック率が高まるとCPCも下がるため、より安いコストでアクセス数を増やすことが可能です。
なお広告アセットについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

広告ランクを向上させる
広告の掲載順位を高めてクリック率を向上させるには、広告ランクを高めることも重要です。
広告ランクは、以下の項目によって決まります。
- 入札単価
- 広告とランディングページの品質
- アセットとその他の広告フォーマットの効果(広告表示オプション)
- 広告ランクの下限値
- 広告のコンテキスト
広告ランクの数値は公開されていないため、直接的に改善するのは困難です。
ただし、広告ランクを決める要素のひとつである「広告の品質」の参考値である品質スコア(品質インデックス)を確認することで、改善につながる可能性があります。
品質スコアは、広告の品質の目安を把握できる指標です。(Yahoo!広告では品質インデックスと呼びます。)
品質スコアは、以下3つの要素が10段階で評価されており、数値が低いほど改善が必要であることがわかります。
品質スコアの要素 | 概要 |
---|---|
推定クリック率(推定CTR) | 広告がクリックされる可能性 |
広告の関連性 | ユーザーの検索意図との関連性 |
ランディングページの利便性 | ランディングページの視認性や操作性 |
それぞれのスコアを確認することで、広告の品質が低い原因を考えられ、広告ランクの向上へと活用できます。
品質スコアや品質インデックスによる具体的な改善方法は以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


代行会社に相談する
自社で費用対効果の高い運用が難しい場合は、代行会社に依頼しましょう。
代行会社に依頼すると自社で広告運用するより多くの費用はかかりますが、成果が出るよう戦略立案から運用までを一貫してサポートしてもらえます。
代行会社であれば、業界ごとの費用相場やクリック単価もある程度把握しているので、予算を適切に設定してはじめられるのがメリットです。
ただし、自社にあった代行会社を選ばないと、思ったような効果が得られない場合がある点に注意しましょう。
代理店によっては透明性に問題がある場合もあり、具体的に戦略や運用方法を教えてくれない可能性もあります。
代行会社を選ぶ際は担当者の対応力や実績などを確認し信頼できるところに相談しましょう。
リスティング広告の費用に関してよくある質問
リスティング広告の費用に関してよくある質問と、回答を紹介します。
不正クリックは費用がかかる?
不正クリックを含め、Google 広告やYahoo!広告が無効と判断したクリックについては、請求が発生しません。
Google 広告とYahoo!広告の無効判断基準は、以下のとおりです。
<Google 広告の場合>
- 広告主様の費用や、広告を掲載するサイト運営者の収益を意図的に増やすために手動で行われるクリック
- 自動クリック ツールやロボットなどの不正なソフトウェアによるクリック
- ダブルクリック時の2番目のクリックなど、広告主様にとって価値のない余分なクリック
<Yahoo!広告の場合>
- 正常なサイト訪問、購買につながらないクリック
- ユーザーによる誤クリック
- 悪意があると判断されるクリック
引用:広告品質のダイヤモンドの取り組み|Yahoo! JAPANマーケティングソリューション
悪質なクリックによって費用が増加することはないため、安心して利用できます。
費用はどうやって支払う?
リスティング広告費用の支払い方法は、Google 広告とYahoo!広告で以下のように異なります。
Google 広告(住所日本、通貨日本円の場合)
Google 広告の支払いタイプは「自動支払い」と「毎月の請求書発行」の2つがありますが、ほとんどの場合が「自動支払い」です。
自動支払いの場合
毎月1日に広告費用が自動請求されます。
ただし、月末より前にアカウントの費用が「お支払い基準額」に達した場合は、その時点で請求が発生する点に注意が必要です。
「お支払い基準額」は運用開始時に規定の額が設定されます。月末より前にアカウントの費用が「お支払い基準額」に達すると基準額が段階的に引き上げられます。
- 広告掲載後の自動課金制
毎月1日、または月末より前にアカウントの費用が「お支払い基準額」に達した時点で課金 - 支払い方法
- クレジットカード(AMEX、JCB、Visa、MasterCard)または提携するデビットカード
- コンビニエンスストア、またはPay Easy(ペイジー)
- 振り込み
- 毎月の請求書発行
※なお、クレジットカードでの支払いの場合、広告運用を一定期間行っており、かつGoogle広告からの担当者がつくようになると使えなくなる可能性があります。
毎月の請求書発行の場合
毎月の請求書発行を利用したい方は、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 会社を登記してから 1 年以上が経過していること。
- 有効な Google 広告アカウントを 1 年以上良好な状態で保有していること。
- 過去 12 か月のうち、お支払い額が 50 万円以上(この額は国によって異なります)の月が 3 回以上あること。
引用:Google 広告のお支払い設定について|Google 広告 ヘルプ
Yahoo!広告
Yahoo!広告では、広告の掲載開始前に広告費用を入金する、前払い方式での支払いが必要です。(※一部の代理店は、「売掛取引」(後払い方式)の場合があります)
発生した広告費用はアカウント残高から差し引かれます。前払い金のアカウント残高がゼロになった場合は、広告の掲載が停止されます。
- 前払い方式
- 手動入金
- 自動入金
- 支払い方法
- クレジットカード(VISA、Master Card、JCB、ダイナース、American Express)
- 銀行振り込み(手動入金のみ)

費用対効果が合わないときは?
リスティング広告を運用していて費用対効果が見合わない場合は、以下3つの方法を試してみましょう。
- 悪化の要因・要素を洗い出す
- 撤退して他の媒体を試す
- 運用代行に任せてみる
リスティング広告の運用では、さまざまな指標を確認し、分析・改善を行います。
ただし、追うべき数値を定めずに次々と施策を打ってしまうと、現状を見失ってしまうことになりかねません。
まずは目標と実績との乖離を確認し、どこに課題があるのか突き止めましょう。その上で、どこの数値を改善するために何をするのか、一つひとつの施策の意味を考えながら運用していくことが重要です。
Googleのリスティング広告で費用対効果が合わない場合は、Yahoo!広告を試してみるのもひとつの手です。
GoogleまたはYahoo!を利用するユーザー層が異なるため、検索広告が向いていないと判断するのではなく、媒体ごとの違いを意識して広い視野で試してみましょう。
リスティング広告の運用未経験者や経験が浅い方は、運用代行への依頼も検討しましょう。
自社で試行錯誤を続けてもコストがかかるため、ノウハウや実績が豊富な運用代行に外注することで費用対効果が高くなる可能性があります。
個人で運用したい場合はいくらかかる?
個人事業主で自身の店舗やサービスを宣伝したい場合は、月5万円から10万円でも配信できます。
ただし、5万円だと1日に1,600円~1,700円しか使えないため露出が限られてしまいます。
少ない予算から効果的にコンバージョンにつなげるには、1つの商品に集中投下することが大切です。
日々の業務のなかで広告運用をしなければならないので、時間の制約も考慮して宣伝する商品・サービスを1つにしましょう。
フリーランス(個人事業主)にも運用代行を依頼できる?
広告運用の代行をしているフリーランス(個人事業主)にも依頼することは可能です。
代理店に依頼するよりも安く抑えられるので、代行にかかる費用を抑えたい人に向いています。また、フリーランスには土日も対応している人もおり、対応スピードが速いのがメリットです。
ただし、フリーランスによっては対応できる範囲やスキルが異なる点や、途中で急に連絡が取れなくなるリスクがあります。
フリーランスを選ぶ際は過去の実績や対応範囲を確認し、信頼できるか検討してから依頼しましょう。
- リスティング広告では悪意があると判断されるクリックは「無効なクリック」とみなされるため基本的に費用は発生しません。
- 費用の支払い方式については、Google 広告とYahoo!広告で異なる部分があるので事前に確認しておきましょう。
- 実際に運用して効果が見合わない場合は、まずは原因の特定をし改善のための打ち手を施しましょう。一つひとつを改善していくことが近道です。
リスティング広告の運用は実際の予算より低く設定してはじめよう
リスティング広告の費用相場は、中小企業であれば30万円~100万円程度が一般的です。必要な予算は目標コンバージョン数やキーワードによって変動するため、推定クリック率やクリック単価を調べておおよその金額を算出しておきましょう。運用開始時は算出した予算より金額を低く設定しておき、成果が出てきてから少しずつ調節していくのがおすすめです。
リスティング広告では各媒体の機能を活用すれば、費用対効果の高い運用を実現できます。ただし、自社でリソースやノウハウが不足しており、運用するのが難しいと感じる場合は、代行会社に相談することも検討しましょう。
LANYでは、リスティング広告の戦略策定から運用までサポートしています。少数精鋭のスタッフがお客様の課題をヒアリングし、解決に向けて成果にこだわった広告運用を行います。
広告アカウントの診断も無料で行っているので、リスティング広告でお悩みの方はお気軽にご相談ください。